教師は説明しすぎていないか、教えすぎていないか? Part1

 2007-06-28
 「魚を一匹やれば一日生きられる。魚の取り方を教えれば一生生きられる」という中国の諺があります。私は、教育現場でことあるごとにこの諺を取り上げ生徒に考えさせます。

「魚を一匹やれば一日生きられる。」というのは、【知識 knowledge 】です。「食べれば死なない」ということは知識として当然持っていることです。一方、「魚の取り方を教えれば一生生きられる」というのは、【知恵 wisdom 】です。魚の釣り方というのは、一朝一夕に身につくわけではありません。さまざまな失敗体験を通じて体得するものです。

今の子どもは「知識」は豊富ですが、自分自らが考え、課題・問題を解決していくことが苦手と言われます。その要因は、授業の形式にあります。教師が一方的に話す対面授業では、生徒はひたすら教師の言うことを聞くか、ノートに取ることに集中します。生徒に疑問を投げかけ、考えさせる授業ならよいですが、一方的に教師が語る授業はいただけません。生徒が知恵を身に付ける授業を心がけたいものです。

「小学校英語」に中学生が興味津々!

 2007-06-22
東京都の某私立中学校2年生のA君からある日「小学校英語について取材をしたい」という依頼がきました。社会科の研究レポートということで快諾しました。A君とは新宿で落ち合い、取材が始まるやいなや、私は度肝を抜かれました。今日の取材のために、インターネットや書籍でかなりの小学校英語情報通です。ただ者ではない、と思いました。

「僕は、小学校1年生から英語を学習してきましたが、あまりや役にたっていない気がします。小学校から英語を学習する必要があるのでしょうか。先生はどうお考えですか。」

A君は小学校英語に反対のスタンスです。私は、A君を納得させるには、普通の回答ではだめだと思い、暫し考えました。

近隣諸国の英語教育事情、国際競争社会で勝ち抜くためには、道具としての英検を身に付けなければ生き残れない、語学の学習は中学生より耳のいい小学生からの方がよい、インターネット社会で情報の収集には英語は不可欠など、具体的な事例を挙げながら、A君の取材に応じました。

A君の表情から、少し納得した様子。

その後もさまざまな質問が飛んできました。

A君、中学2年生としては、非常に問題意識が高く、感心しました。
後日、A君から丁寧なお礼の手紙をもらいました。メールではなく、縦書き便箋にきれいな字で書かれたものです。A君の研究レポートが気になるところです。

5分で生徒の耳が変わった!音読の効果、絶大!

 2007-06-13
東京都杉並区和田中学校の英検準2級を目指す選択授業で。

英検の準2級のリスニング問題を扱っていたときのこと。生徒がリスニングのスピードについていけない。どうしたものか。同じ問題を何度か聞かせ、多少理解度はましたが、依然として、生徒にとってはスピードに耳がついていけない。そこで次のステップを試してみた。


1)短い対話文(CD)を聞かせ、書き取りを行う。
2)書き取ったものを、教師について音読。初めは、ゆっくり段々速く。
3)ペアを組ませ、対話文の練習。対話文の際には、できるだけ速く読むように指示。
4)もう一度CDを聞かせ、練習した速いスピードで音読。CDのネイティブの話すスピードよりも、
  生徒の音読スピードが上回る。
5)もう一度CDを聞かせる。CDのネイティブの話すスピードが遅く感じられるようになった。


1)〜5)のステップはわずか5分。生徒の初めかなり速いと感じた「耳」が、わずか5分で「ゆっくり」感じる「耳」に変わった!昨今、英語に限らず、音読に関する教育的効果が他方面で取り上げられている。「なぜ音読?」という問い対する回答は、「5分」の体験で出る。これはぜひお勧めしたい。

ビジネスマンが必要と考えている英語力は?

 2007-06-06
財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(English Skills Requirements for Business Person)が、昨年10月から11月にインターネット上で実施した「国際ビジネスにおいて求められる英語力に関するアンケート」の結果を公表した。(2007/05/24)

アンケートに回答したのは、25歳以上で、回答者(7,044)の85%以上が民間企業に勤務し、88.5%が年間1〜5回海外に出張する国際ビジネスの経験者である。

調査によると、日本人が国際交渉を行うのに必要な英語力は、TOEICのスコアでは、「900点以上」と回答した人が最も多く25.8%に達した。

平成15年の遠山文部科学大臣のときに打ち出された「英語が使える日本人」の育成のための行動計画の中で、英語教員の指導力向上及び指導体制の充実が謳われ、その目標に英語力(英検準一級、TOEFL(トーフル)550点、TOEIC(トーイック)730点程度以上)及び教授力を備える、とあったが、ビジネスマンが必要と考えている英語力は、英語教師のコミュニケーション能力よりも遥かに高いレベルにある。

国際社会の中で日本人が他の国のビジネスマンと丁々発止と渡り合う英語力と大学までの英語力との間には大きな乖離があると言わざるを得ない。
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