「英語ノート」について

 2009-05-13
4月に東京と長野の教育委員会主催の研修会を行いました。テーマは「英語ノート」の使い方です。英語ノートは全国の小学校に配布されていますが、その使い方については、各自治体、小学校にゆだねられています。基本的には小学校5・6年生で扱うわけですが、中には、小学校中学年で扱うところもあるようです。英語ノートについて考えたいと思います。

■『英語ノート』のコンセプト

英語ノートは、「外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う。」を目標に作成されたものです。柱は以下の3点です。

<3つの柱>
1)言語や文化について体験的に理解を深める。
  他言語・他文化を通じて、母語や自文化への気づきを養う。
2)積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る。
  英語を通してコミュニケーションの楽しさを実体験する。
3)音声や基本的な表現に慣れ親しませる。
  聞く・話すという「音声」を中心とした内容。

「小学校英語活動は、中学校英語に期待される英語運用スキルの向上を目指すのではなく、聞く・話すの音声指導を中心とし、国語力などを含めたコミュニケーション能力の育成を目指す」、と
要約できそうです。

『英語ノート』は、小・中学校学習指導要領に基づいて作成されていますので、『英語ノート』を使用することで、小中の連携、授業の均質化が可能となるでしょう。

■『英語ノート』の特長
英語ノートの特長を挙げてみます。

・国際理解が60%、英語が40%。 
・国際理解にかかわる交流等を含んだ体験的なコミュニケーション活動。
・他教科との融合
・全体ワーク・グループワーク・ペアワーク・個人発表のアクテビティ。
・想像力を働かせながら考える構成。
・気づき・発見を重視。
・子どもの興味・関心を惹く実生活とリンクした内容。
・英語ノートは、いわゆる教科書という位置づけでないため、柔軟な指導が可能。
・CD、指導書、デジタルコンテンツがある。
・基本はコミュニカティブアプローチ。

■『英語ノート』の指導の留意点

・教え込む、定着を図る授業はご法度。
・ドリル形式、いわゆるオーディオリンガルのパターンプラクティスのし過ぎは避けたい。
 例) “Can you play baseball?”という言語材料を完全に言えなくても、アクテビティにおいては、 
 “Can you, baseball?”やイラストを指しながら、baseball, OK?、といったコミュニケーション活動を
許容する必要がある。
・CDの使い方には工夫が必要。ただ流すだけではなく、ポーズボタンをうまく使いながら、1つ
 ずつ聞かせたり、部分的に聞かせ、子どもたちに想像させたり、といった手法が肝要。
・教師は明確かつポジティブな発言、フィードバックを常に心がけたい。
・教師はFacilitator(進行役)に徹し、子ども中心のコミュニケーション活動(全体ワーク、グループ
 ワーク・ペアワーク)に重きをおきたい。


研修会で「英語ノート」を使った模擬授業をしましたが、模擬授業を通じて、上記の指導の留意点が出てきました。英語ノート、という指導ツール・カリキュラムがあることで、今までの「何を指導したらいいのか」という質問に対する回答が出たと思います。しかしながら、せっかくのツールも活用の仕方を間違えると大変です。最大限に活用するためには、小学校英語活動の目標をつねに意識し、教え込む授業ではなく、コミュニケーションを楽しむ姿勢で臨むことが肝要となるでしょう。


では、次回のブログをお楽しみに!

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