韓国教育事情 Part3

 2007-11-12
韓国教育事情Part3では、訪問した韓国の学習塾・予備校についてレポートします。

韓国の大手の学習塾、大一学院http://www.daeilacademy.net

大一学院本社ビル


大一学院は、専門化教育プログラムと体系的な学習システムをもった小学生から浪人生までの教育専門機関です。大一学院の「大一」は大韓民国で一番大きな塾を目指す、という意味だそうです。創立38年、生徒数は4万名と推定されます。

前回ご紹介したPAGODA学院と同様に、大一学院の本部も教育熱が最も高いと言われる新興都市の江南(カンナム)地区に位置し、その他にソウル市内に数校舎、また、ソウル郊外には素晴らしい環境の中建てられた寄宿舎もあります。日本と違い1教場あたり数千人の生徒がいます。

大一学院寄宿舎


大一学院では、ソウル大学や高麗大学などの有名大学に合格するための秘法として、Dream(目標)⇒Strategy(戦略)⇒Time Management(時間管理)⇒Do(実施)⇒Feed-back(フィードバック)の一連のサイクルにおいて指導を行っています。生徒がいかに「学習することを習慣化できるか」という部分に焦点を当て、「より効率的に学習できる方法を指導する学院!」をモットーにしています。

今回訪問したのは、本社ビルで、浪人生の自習風景、英語教室、耳の不自由な生徒のための特別教室、幼児教室(美術)、理数教室を見学しました。特に英語教室の、幼児コースからTOEICやTOEFLコース、リーディング、ライティングコース等の充実ぶりは目を見張るものがありました。英語を学びたくなる学習環境の演出は日本も大いに学ぶべき点だと思いました。また、理数教室にも驚きました。空間把握能力を養うために手作りの数十種類の立体模型、それを手品師のように使いこなすカリスマ教師のデモ、と大一学院が英数に力を入れていることがわかりました。

また、受付も日本と違う点です。ホテルのフロントを思わせる受付にスタッフの対応を見ていて、生徒管理、相談などのオペレーションシステムがしっかりしているという印象を持ちました。

大一学院受付


これで、韓国教育事情はいったん終了となります。韓国の教育熱は凄まじいものがあります。今後もまた韓国教育事情をブログでご紹介したいと思います。

韓国教育事情 Part2

 2007-11-05
韓国教育事情Part2では、韓国の語学学校についてレポートします。

生徒55万人!
韓国の最大手の語学学校
PAGODA語学院(http://www.pagoda21.com/)

PAGODA語学院は、1969年に設立され、民間の語学学校としてはかなり歴史が長く、生徒数は55万名、教師数1200名、校舎数24箇所、と国内最大手です。
韓国の教育熱が最も高いと言われる新興都市の江南(カンナム)地区(日本だと銀座の一等地のような場所)に20階建ての本社ビルがあり、そのことからも、PAGODA語学院がどのくらいの規模かが容易に想像出来ます。

pagoda


学院の核となっているのは、成人用の語学院、小学校から高校のジュニア学院、語学関連の出版部門、雑誌(Guideposts 韓国語と英語で書かれている )の4部門、その他、オンライン教育、ダイレクト英語(1対1の個別指導)、言語教育研究所3部門があり、理論と実践の両方を重視した、まさに総合語学ランドといった様相を呈しています。特に英語コースは定評があり、TOEIC、TOEFL、IELTS、GREなどのテスト対策コース、英会話、英文法、英作文などのコースが充実しています。その他、日本語、中国語などが人気があり、ロシア語、スペイン語などの外国語も学ぶことができます。

授業は基本的に月曜日〜金曜日まで週5回、オプションコースを受講すると週7日も可能とのことです。驚いたことに、早朝6:50(会社に行く前)からビジネスマン向けの授業もあります。語学学習は1日8時間で週1回の学習よりも、毎日1時間を週7日学習する方が効果的と言われますが、日本の語学学校では想像出来ない授業時間数です。語学をモノにするにはこのくらい学習しなければ、という熱情が感じられます。

私共が9時過ぎに学院に着くと、その時間には既に多くの学生・浪人生が熱心に学んでいました。生徒数が多いことから、1クラス50人〜100人を想定していましたが、集団の最大人数は10〜15名程度、また、1対1の個別指導も人気があり、個室(窓付き)で熱心に学ぶ生徒の表情が印象的でした。日本語クラスのフロアは、受付から教室にいたるまで、日本文化をモチーフにした飾りつけで学習環境を整えています。一つ一つの教室空間は明るく、きれいで、壁全面ホワイトボードで、プロジェクターなどの設備も完備されていました。その他にもイベントホールが2〜3あり、訪問した日はハロウイーンのパーティーがあるということで広いホールがきれいに飾られていました。特に素晴らしかったのが、30畳ほどの最新の設備を有する本格的なスタジオで、そこではeラーニング用の授業撮影が行われていました。

韓国教育事情Part1でも触れましたが、これほどまでに語学学習が盛んなのは、語学ができなければ、いい会社に就職できない、また語学ができれば高収入につながるという図式があります。韓国の語学熱は社会情勢の急激な変容がない限り当分は続くでしょう。

訪問当日は、普段多忙でほとんどお目にかかれないという高会長が、PAGODA語学院本社ビル内を丁寧に案内してくださいました。高会長は現在64歳、しかし実際、20歳は若く見えます。実は、高会長は身体があまり強くなく、それでもヒマラヤ登山をし、見事登頂に成功されたというご経験をお持ちで、そのご自分のヒマラヤ登山のご経験を学院経営の理念にし、「成せば成る!」をモットーにしています。帰国前には、高会長より「私のような者でも頑張れば、ヒマラヤに上ることができたのだから、これから韓国社会を担っていく若者なら何でもできるはず、大いに期待している。」というメッセージをいただきました。

超一流の語学学校から学ぶことは非常に多く、今回の見学は私にとって良い勉強になりました。

次回は訪問した学習塾についてレポートします。ぜひお楽しみに!

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韓国教育事情 Part1

 2007-10-29
去る10月25日〜26日にかけて韓国の民間教育を視察する機会がありました。今回から3回にわたり、そのレポートを掲載いたします。

<背景>
韓国は、教育熱の高い国で知られています。人口の約4分の1がソウル一極に集中しており、大学も地方大学ではなく、ソウルの大学に進学しなければ一流企業への就職もままならない、という状況です。当然のことながら公教育だけでは、大学入試で合格を勝ち得ることが困難です。そこで、日本のように私塾(韓国では学院)に通う生徒が多くなります。
ちなみに初任給では、大学卒は高校卒の約2倍だそうです。

韓国でも少子化が進み、最近では一人っ子の家庭が多いです。驚くのは、教育費の額です。
教育費を稼ぐために夫婦共働きをしていますが、何と平均して一人の子どもにかける教育費(小学校〜高等学校)は給料の約40%にも上るとのことです。仮に共働きで40万(日本円)の収入があるとして、月に子どもの教育費に16万円を費やしていることになります。年間で約200万円になります。親の教育費の負担は、昨今深刻な社会問題にもなっています。
ここまで教育費にお金をつぎ込むのは、前述したソウルの有名大学への進学という構図があります。

<語学学習人気>
20年前に韓国に訪問した時に大学生は大学3年生になると、学部を問わず、猫も杓子も語学とコンピューターを学習するということを聞いたことがあります。20年たった今も、語学学習人気は衰えるどころか、最近は2ヶ国(英語にもう一ヶ国語)があたり前になっているということです。韓国国内のグローバル企業の台頭、それに伴い語学ができなければビジネスが成立しない状況もあります。語学できるかどうかで、就職の際のポスト、賃金に相当な差があるようです。

では、次回は訪問した韓国の学院についてレポートいたします。ぜひお楽しみに。

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